イベント業界歴20年のワンコン最古参社員。
イベントオペレーション総括及び、サービス管理チームにも総括として所属。
業界歴の長さからイベントに関する知識全般に強く、
レスポンスの速さやイレギュラー対応も得意。
イベント出展などで、自社で不足している人員をお願いしようと思った時、何人お願いすれば良いのだろうか。
そう悩んでしまった方もいるのではないでしょうか。
この記事では、イベント現場歴20年の私が経験と実績を基に
人材を派遣依頼する際に休憩時間などを考慮した必要な人数の考え方をご紹介いたします。
初めて人材を依頼する前の準備にお役立ていただけますと幸いです。
目次
派遣依頼人数を考える為に
人材派遣を依頼する事は決まったものの、実際に何人依頼すれば良いかわからない。
そんな時はイベント出展時に必要になる業務を基に考えていきます。
まずは大枠でどんな業務が必要になるのか。
来場者をご案内する誘導係、来場者を管理する受付、コンテンツの説明が必要であればその説明員など、
業務ごとに考えていくと分かりやすいでしょう。
※イベントのにおいて、よくある業務のイメージが付かない方は
【イベントにおける役割分担】「運営」と「進行」って何?でご確認いただけます。
スタッフの休憩時間を考慮する
働いてもらう人材を派遣依頼したいのに、いきなり休憩時間を考えるとは…
そうお思いになる方もいらっしゃると思いますが、休憩は労働基準法を遵守する事はもちろんの事、
人材のコンディションやモチベーションにもつながります。
人材は物ではない為、無理がききません。物なら壊れた部分を取り換えるだけで済むかもしれませんが、
人材はすぐに代わりを手配する事も難しかったり、
手配が出来ても再度同じ説明をしないと業務が出来ずに手間だったりします。
必要以上の休憩を与える必要はありませんが、
必ずしも労働基準法に基づく1時間が適正かというと、そうも言えないと個人的には思っています。
休憩時間は状況に応じて考える必要があり、休憩時間次第で必要な人材の人数も変わってきます。
一般的なオフィス事務とイベント業務の違い
上記で休憩時間に関するお話をしましたが、実際のところはどうなのでしょうか。
オフィス事務の場合、エアコンの効いた室内でデスクに向かい作業し、
ある程度トイレなどは自分のタイミングで離席できる。
お昼はゆっくり1時間位のランチの時間がある。
そんな業務環境ではないでしょうか。
イベントの場合には、必要個所に必要な人材がいる為、案内が勝手に無人になっても困りますし、
受付が勝手にトイレに行ったら対応する人がいなくなってしまいます。
同じ場所にずっと立っていなければならないような仕事がイベントには多いので、
オフィス事務のような考えでは、「5時間ずっと立ちっぱなしでご案内」などという事にもなりかねません。
そうならない為にも、適宜休憩をまわしていく必要があります。
過酷な環境下での業務
イベントは室内で行われる物だけではありません。
屋外で行われるものも多く、暑さ・寒さ・雨などの天候不良など、その時々の条件も様々です。
一般的に屋内のイベント業務であれば、3ポジションを4名で休憩含めてローテーションできれば十分かと思います。
3ポジション4名であれば、単純計算で1時間半労働したら30分休憩、8時間の拘束時間であれば、内2時間くらいは休憩がまわる考え方になります。
しかし、それが屋外の業務で、真夏や真冬、暴風雨といった過酷な労働条件下では
1時間半屋外に立って業務する事は条件的にも厳しいものとなります。
そんな時には、1ポジションを2名でまわす、2ポジションを3名でまわすなどして、
極力過酷な条件下での連続勤務時間を減らして、休憩で体力を回復させる必要があります。
炎天下で5時間立ちっぱなしという業務、皆さん自身は可能でしょうか?
例え労働基準法は遵守出来ても、「人」を守る事は出来ません。
自身がその配置の業務をすると仮定した時に、
「30分なら可能」「45分が限界」など、自分の感覚を参考に決めていくという方法も取れるかと思います。
ポジション数と人数
例えば8時間拘束のイベントで、必要なポジションが3か所だった場合
実際にはどのような手配になるのでしょうか。次で詳しく説明します。
3つの手配例で解説
手配例① 3ポジション4名の場合
4名で3ポジションを回せる為、手配する人数は4名で良い。
1名あたり2時間の休憩を与える事ができる。
厳しい労働条件下での業務がなければ、この考え方で問題はない。
手配② 2ポジション3名と1ポジション2名を合わせる
2条件の手配を合わせると合計の手配人数は5名となる。
2ポジション3名では1名あたり2時間40分の休憩を、
1ポジション2名では1名あたり4時間の休憩となる。
比較的緩やかな業務の方は3名で担当し、比較的厳しめの業務の方を2名で担当させると良い。
手配例③ 1ポジション2名の場合
3ポジションでの手配人数は6名となる。
1名あたりの休憩時間は4時間となり、十分な休憩がとれる。
屋外でも、真夏や真冬などの厳しい条件下の場合に用いられることが多い。
休憩シフト例
〇ポジション〇名と言っても、具体的にどのような感じか分かり辛いと思います。
イベントでよく使われる休憩シフトの表を例に、ご確認頂ければと思います。
・休憩シフト例
※業務オリエンは休憩シフトを開始する前に全員でまとめて実施する想定
※休憩の考え方については次の記事で詳しく説明しています。
【人材派遣を依頼した際の休憩の考え方】休憩をうまく回せば依頼人数は減らせる?
業務内容を考慮する
今までは休憩時間の話をしてきましたが、
もちろんどんな業務なのかも手配人員を決める上では必要な条件となってきます。
業務ごとに考え方も変わってきますので、一色単に「何名」という事ではなく
業務内容からも必要な人数を考えていく必要があります。
誘導
誘導であれば、お客様をご案内する上で、必要になる箇所がどの程度あるかを考えます。
お客様を悩ます曲がり角や、例え真っすぐな道でも距離が長くお客様が不安になってしまうようなところ、足元が悪くて注意を促す必要がある場所など、
もし自分がそのイベントに行こうとした場合、途中で困るであろうポイントを考えます。
そこが屋外であれば、上記で述べた休憩の考え方も考慮する必要が出てきます。
受付
受付であれば、どのような受付かでも対応人数が変わってきます。
事前に参加証のようなものをお客様自身にプリントアウトして持参頂き、
受付では「回収するだけ」といったような形であれば
1名のお客様を対応するのに、1ポジション20秒程度で対応できると思います。
もし来場者が仮に500名位と想定した場合、1ポジションで受け付けるには166~7分程度かかる計算になります。
受付はイベント開始の1時間位前からという設定が多いため、1時間で500名を受付する事を考えると3ポジションほどの手配は最低でも必要となります。
もし、受付がお客様からお名前と会社名をお伺いし
リストをチェックしながら配布物も渡すような、
1名のお客様を対応するのに1ポジション60秒程かかるような受付であれば
500名のお客様を対応するのに1ポジションの受付では500分かかってしまいます。
これを1時間で受付をしようと思ったら最低でも9名は必要となります。
このように、1時間あたりに何名処理するかを基準に考えると、ある程度必要な人数が見えてきます。
ただし、受付の場合は「その一瞬だけ忙しい」という事も多いので、忙しいタイミングは全員で業務を行い、
閑散のタイミングになったら窓口を半分くらいにして交互に休憩を取らせるという事もできます。
これなら、手配人数はピーク時を想定した人数で済ませる事もできます。
※イベントが大規模なコンサートの場合は次の記事で詳しく説明しています。
コンサートの規模とスタッフの人数目安は?人員手配には人材派遣会社利用が吉!
人材の手配はHUMAN RESOURCERSへ
色々と考え方を述べてはきましたが、
「そうは言っても実際のところはどうなのか、いまいちピンとこない」
という方もいらっしゃるでしょう。
そんな時は、人材派遣を行う事が確定していなくても構いません。
どのようなイベントを、どのような規模感で行いたいのかをお伺いしながら
こちらでも適切な手配人数を一緒に考え、ご提案させて頂きます。
まずはお気軽にご相談頂ければと思います。
※人材派遣の依頼の流れが気になる方は、人材派遣のご依頼例でご依頼事例、お見積り、ご依頼の流れを公開しています。